キャリブレーション環境
推奨されるキャリブレーション環境は、キャリブレーションに使用する測色器によって異なります。
内蔵の測色器を使用するか、Klein K10-A、X-Rite i1Display、i1Pro などの直接接触式の測色器を使用す
る場合、画面に直射日光が当たらない薄暗い照明の場所で調整することをおすすめします。Photo
Research 分光放射計などの非接触式の測色器を使用して調整する場合、完全に暗い室内で調整する
か、キャリブレーション ボックスなどの暗い閉鎖環境を使用することを強くおすすめします。
複数のディスプレイを調整するには、キャリブレーションを実行するための光が制御された場所を決
めることをおすすめします。その場所で、複数のディスプレイを台に載せてウォーム アップしてから
キャリブレーションを行います。Photo Research 測色器は、一般的に固定三脚の上で使用されます。
その場合、測色器に対して正しい位置になるように 1 台のディスプレイを調整し、そのディスプレイ
のテーブルやベンチの位置に印を付けるか、取り付け治具を使用することをおすすめします。これに
より、各ディスプレイを適切な測定位置に配置できます。
キャリブレーションの頻度
ディスプレイで使用されている先進的な IPS パネルは非常に安定していますが、すべてのバックライ
トの LED は時間の経過につれて徐々に暗くなります。一般的な法則として、最新型の LED パネルは
1000 時間使用するごとに、ピーク輝度が約 1%ずつ暗くなることが予想されます。このディスプレイ
には青色 LED および赤色 LED の両方が使用されているため、これらの LED が暗くなるときの差によっ
て、わずかな色ずれが生じる場合があります。ただし、多くの使用において、キャリブレーションか
ら 2000 時間以上が経過しても色ずれは認識されていません。
ディスプレイにキャリブレーション測色器が内蔵されているため、内蔵されていない場合よりも頻繁
にキャリブレーションしやすくなっています。お使いの施設でのキャリブレーションの頻度は、何よ
りも快適さのレベルで判断する必要があります。ユーザーが定義したスケジュールで自動的に再調
整するようにディスプレイを設定できるので、定期的な再調整が簡単に行えます。
電源オン後のディスプレイのウォーム アップ
ディスプレイを調整する前に、ディスプレイのバックライトに使用されている LED を安定させるため
の時間が必要です。バックライトが安定するようにディスプレイをウォーム アップさせることをお
すすめします。ディスプレイの内部タイマーは、ディスプレイの電源がオンになってから 30 分以内
に調整しようとした場合に警告するように設定されています。このウォーム アップ時間の表示精度
は、電源をオンにしてから、時間を決めてディスプレイを測定して判定されました。白色点、プライ
マリ、およびセカンダリは
Photo Research PR-740 分光放射計を使用して 1 分ごとに測定されました。
ColorChecker パターンは 5 分ごとに測定されました。これは、PR-740 によるすべての測定が 1 分以内
に完了しない可能性があるためです。
以下の表は、参考として、電源をオンにしてからのウォーム アップ時間ごとに表示の精度を ΔE 2000
を使用して示したものです。
ウォーム アップ時間
白色点
プライマリ/セカンダリ ColorChecker パターン
15 分
< 1.5 ΔE 2000 < 1.0 ΔE 2000 < 1.0 ΔE 2000
30 分
< 1.0 ΔE 2000 < 0.5 ΔE 2000 < 0.5 ΔE 2000
45 分
< 0.5 ΔE 2000 < 0.25 ΔE 2000 < 0.5 ΔE 2000
60 分
< 0.25 ΔE 2000 < 0.25 ΔE 2000 < 0.25 ΔE 2000
キャリブレーションの準備
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